私が働き方を変えたきっかけは、決して特別な夢や大きな目標があったからではありません。
大学卒業後、保育士として働いていた私にとって、転機となったのは父の入院でした。
それまで当たり前だと思っていた日常が変わり、経済的な面でも家族を支えていく必要が生まれました。
当時の私は、保育士以外の仕事を経験したこともなく、パソコンのスキルもほとんどありませんでした。それでも、今の自分にできることを増やしたいという想いから、新しい働き方を模索し始めました。
そこで出会ったのが、インターネットを通じて仕事ができるリモートワークという選択肢です。
最初から順調だったわけではありません。慣れない仕事に苦戦しながら、少しずつスキルを身につけ、経験を積み重ねていきました。
そして2019年、フリーランスとして独立。
働き方が変わったことで、収入を得る方法だけでなく、時間の使い方や暮らす場所、大切な人との過ごし方まで、自分自身で選べる可能性が広がっていきました。
この経験を通じて実感したのは、選択肢を知ること、そして選べる力を身につけることが、人生を大きく変えるということです。
一人ひとりに合った、キャリアの選択肢を。
自分自身の経験から、働き方に悩む女性たちにも新しい選択肢を届けたいと考えるようになりました。
その想いから、2021年に女性向けリスキリングスクール「リモラボ」を設立しました。
これまで多くの女性のキャリアに関わる中で感じてきたのは、挑戦したい気持ちがあっても、必ずしも誰もが同じ条件でスタートできるわけではないということです。
育児や介護、住んでいる場所、これまでの職歴、経済的な事情。
一人ひとりが置かれている環境も、得意なことも、理想とする生き方も違います。
そして、どれほど意欲があっても、必要な情報や学ぶ機会、相談できる人との出会いがなければ、最初の一歩を踏み出すことさえ難しい場合があります。
だからこそ、私は単にスキルを教えるだけではなく、その人自身の強みや可能性を見つけるところから、仕事の獲得、そしてその先のキャリア形成まで支えられる環境を大切にしてきました。
また、キャリアに唯一の正解はありません。
大きな仕事に挑戦したい人もいれば、家庭との時間を大切にしながら働きたい人もいる。会社員として成長したい人も、フリーランスとして自由に働きたい人もいます。
大切なのは、誰かが決めた理想の働き方に自分を合わせることではなく、自分にとっての幸せや成功を、自分自身で選べることだと思っています。
挑戦する人に、もっと優しい社会を。
テクノロジーの進化によって、私たちの働き方や生き方は、これからも大きく変わっていきます。
これまで難しかったことが可能になり、新しい仕事やキャリアの選択肢が生まれる一方で、情報や機会を得られる人と、そうでない人の間には、まだ大きな隔たりがあります。
私は、そうした変化の恩恵が、一部の人だけに届く社会にはしたくありません。
新しいことを始めるのに、年齢や経歴が障壁にならないこと。
家庭や環境の変化があっても、自分の可能性を諦めなくていいこと。
失敗しても、遠回りしても、何度でも新しい一歩を踏み出せること。
そして、誰かの挑戦を否定するのではなく、互いの違いを認め、応援し合えること。
そんな社会こそ、私が考える「優しい社会」です。
もちろん、すべての人が常に挑戦し続ける必要はありません。立ち止まることも、今ある幸せを大切にすることも、一人ひとりの自由です。
ただ、何かを始めたいと思ったときに、環境や情報不足を理由に、その可能性が閉ざされてしまうことは、できる限り減らしていきたい。
私自身も、働き方を変えたことで、それまで想像もしなかった景色を見ることができました。
だからこそ、今度は誰かが新しい景色に出会うきっかけをつくっていきたい。
働き方の可能性を広げることから、人生の可能性を広げることへ。
これからも、教育やテクノロジー、さまざまな人や企業とのつながりを通じて、一人ひとりの挑戦を支える仕組みをつくり続けます。
誰もが挑戦を諦めなくていい優しい社会へ。
それが、私の活動の原点であり、これからも変わらない想いです。
小森 優

